ー そこでの環境や経験も、今の御社を形作ってきたわけですね。いま展開している「Gate.」のシステムも巻口社長が作られたんですか?
そこは、エンジニアもおりますのでそこでやってますね。初めは、システム会社へ外注したんですが、半年くらいしても上手くいかなかったんです。内製化をしないといけないと思って、CTOを採用したことで、開発が一気に進んだという感じです。
ー なるほどですね、やはり、新しいシステムやものを作り上げるのはとても大変ですよね。先ほど、人を動かすのが大変だったというお話も伺ったのですが、「Gate.」のように新たなシステムを導入してもらうというのは、なかなか大変ではないでしょうか?
そうですね、そこは戦略的なところもありますが、財閥系や大企業といわれる企業には概ね使っていただいている状況なんです。
あと、特徴としては銀行で住宅ローンの分析をするときなんかに使っていただいてます。
その他、不動産業界以外の会社にも使っていただいてます。(住友生命やJR九州、東京ガス、デロイトなど)
そういったところが、特徴となってまして、売上高も1.5倍ずつ上がってきている状況です。
なぜ、質問の答えになるかというとですね、
不動産業界って零細企業の集まりなので、そこの方々に直接商売をしようとするとそりゃ大変ですよね。
分かりやすいところだと、電子契約の法案が企画された頃の一部の業者の集まりでは、「電子契約は敵だ!」というような掛け声なんかもあったんですよ。
コロナによって、電子契約なんかもだいぶ受け入れられましたけど(笑
結局、現場の方へそういった話をしても難しいんですよね。
そこで、不動産業界が絶対に言う事を聞かないといけないところから変えていこうと考えたんです。
普通であれば、国土交通省を思い浮かべますよね?
でも、不動産業者って罰則や規定が無いので、国土交通省の言うことを二つ返事では聞かない場合が多いんです。
一方で銀行は、金融庁の言うことを素直に聞くんです。
では、不動産業者は誰の言うことなら聞き入れるのか?それは、銀行なんですよね。
やっぱり、銀行からお金を出してもらえないと困りますから。
そこから、まず銀行がシステムを使ってくれたら、そこと取引をしている業者は使ってくれるんじゃないの?という発想だったんです。
ただ、ベンチャー企業がいきなり銀行へいくわけですから、それもとても難しかったですけどね(笑
ただ、銀行に使っていただくことで、大手不動産業者から信用して使ってもらう事ができ、次に大手と取引をしている鑑定士や税理士にも信用され、そこでのシステムに入れてもらうことができるんです。
そうなると、最終的には全国の不動産業者の方が使ってくれる環境ができるんじゃないの?と戦略的に進めているんです。
自分自身が「環境を整えてから、目的を達成する」という考え方なので!
ー 新聞の配達員をされていた頃から、変わらずにひとつひとつ進めてこられたという事ですね。ということは、今の経営に対する思いも、環境を整えるということになってくるんでしょうか?
そうですね。考え方は変わってなく、自分より優秀な人材がいなければ会社は大きくならないので、自分は出来ないことを出来る人を積極的に迎えるというのを方針にしています。
ー 色々な業界への営業なんかをされていらっしゃるかと思いますが、新たに入られた方は各業界に向けた知識付けなど教育の部分は大変なのではないでしょうか?
コンサル業界にいた頃に実感したことで、イノベーションって他の産業のアイディアが入ってくることで起こることなんです。
従業員は8割ほどが不動産業界未経験なんです。
つまり、他の産業からの知見が新しいアイディアとして入ってくることで、新しいビジネスモデルが成り立つんじゃないかと思っています。
ですので、今までの知見というのは生かすことができます。
また、弊社では「π型人材」を目指しているので、元々の知見に加えて、弊社での不動産とITの知見を得ることが出来るとキャリアとして生き残りやすくなるという考え方でやっています。
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